DJ KLOCK
まず始めに、何度も言っていることだが僕は自殺を否定しない。
苦難の天秤において、死から生の側に針がふれたときに自殺は起きる。 天秤を軽くする喜びや希望といった要素を差し引きした上で尚、死より生きる苦しみが重いと解っていたら、自ら死を選ばんとする人を前に僕は生きて苦しめ、とは言えない。 DJ KLOCKはそれを選んだ。 心の病に毒されて、一瞬の突風に煽られたことで彼は亡くなったのか。それとも冷静にそれを選んだのか。前者だったら馬鹿げている。ただ、僕は彼ではないから、彼の中にある真相は知らないし、事の後では知ることもできない。今となっては後者であったことを願うのみだ。 僕とKLOCKの間には、リスナーとクリエイターという関係以上のものは無いけれど、無理に言ってしまえば、(これは今これを読んでいる貴方との間にも言えることだが)、同じ世に生を受けて苦を乗越えようとする者としては同志だった。 DJ KLOCKが居ない。 彼の新譜が僕を楽しくさせることもない。 残念だ。 しかし、 残された人間は進むしかない。 R.I.P |